イノセント・ラブ・アフェア
すると、洋介は腕を私に向かって伸ばしてきた。

弧を描いて、

しなやかな動きで腕が近づき、

私のからだは、彼の腕の中にすっぽりとおさまる。

洋介の心臓の音と、私の心臓の音が、交互に鳴っている。

「こんなにニアミスを繰り返して、やっと会えたってことは…」

男の子の匂いに包まれる。驚きの急接近。

すごくドキドキしちゃう。息が苦しいよ。

「こうなっちゃう運命かな」

そう言って洋介は、一度軽い音を立てて鼻先にキスしたあと、ゆっくりと私の唇に重ねた。
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