貴方と同じ愛を返したい

「あの、バナナジュース飲みますか?」
「へ?」

 彼女の手にはバナナの絵が描かれたペットボトルがある。いきなりすぎるこの状況が理解できずに固まる。今、この子はなんて言った?

「いや、あの、、。泣くのって疲れるじゃないですか。しかも、重そうなリュック背負ってるから塾帰りっぽいなって思って。頭使ったあと、私は甘いの呑みたくなるからさっき買ったんです。でも、私やっぱいいやと思って鞄にしまおうと思ったら、あなたがいたので、よければと思って。余計でしたか?」

 いきなりのことに驚きつつも、ゆっくり言葉を理解する。たどたどしい言葉から察するに、初対面の人と話すのが苦手なのだろう。それでも話しかけてくれたことを嬉しく感じる。

「あなたは飲まないんですか?」
「はい、買ったんですけど気分じゃなくなってしまって。家に持って入りたくはないので受け取ってもらえると助かります」
「、、、、、、、そういうことでしたら、いただきます」

 そういって彼女の手からペットボトルを受け取る。

< 27 / 27 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:2

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

ねぇ、悪いことしよ?
山田駿/著

総文字数/12,505

恋愛(学園)13ページ

表紙を見る
来世ではちゃんと言うから、今はまだ待ってて
山田駿/著

総文字数/1,559

恋愛(キケン・ダーク)3ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop