貴方と同じ愛を返したい
前回よりスムーズに言えたことに小さな喜びを感じていると、犬が飼い主を見つけた時のようなテンションで圭斗君がこちらへやってきた。
「美優さん!どうしたの?」
「圭斗君に話したいことがあって」
「ちょっと待ってて、次の時間の準備だけ先に持ってくる」
「はーい」
そういって少し窓の景色を見て待つと息を切らした彼がやってきた。
「なんかすごい疲れてるけど、この短時間で何が起きたの」
「筆箱が行方不明になって教室中走り回ってた」
「ふふふ、そんな焦らないでゆっくり探さないと見落とすよ」
「はい、その通りで自分の手に持ってました」
「、、、そっか」
そんな会話をしながら私たちは空き部屋に向かった。