天使くん、その羽は使えません (短)

「ふぅ」と、どうにもならないため息をついた後。私は、家の中の片付けを開始する。


え?なんで家の片付けかって?それは、天使くんの部屋を作るため。もともと一部屋余ってたんだけど、見事な物置き状態になっていた。だから皆で、天使くんの部屋に作り替えることになったの。


「がんばるぞー!」


そして、夕方。

片付けをなんとか終わらせ、天使くんの部屋が出来上がる。


「あの物置部屋がどうなる事かと思ったけど、なんとか部屋らしくなってよかったね!」

「うん」

「どう?自分の部屋ができて。嬉しい?」

「……別に、何も思わないかな」

「ふぅん、そっか」


天使くんを見ると、「申し訳ない」とか「ありがとう」とか。そういう感情を抱いてるようには、一切見えなかった。

天使っていっても、中身は人間じゃないから、感情があまりないのかな?表情が変わらないのも、そのせいなのかも?

今の天使くんは、人間の見た目をしたロボット。そんな感じだ。

< 12 / 89 >

この作品をシェア

pagetop