天使くん、その羽は使えません (短)
「逆に天使は不滅とでも思ってるの?」


呆れた顔をしている天使くん。私が頷くと、天使くんは顔に影を落として、何も喋らなくなった。

どうやら、天使は不滅ではないみたい。


「ごめん。なんか天使って聞くだけで、最強そうに思えちゃって」

「!……なわけないよ」


天使くんはフイと顔を逸らす。あれ?なにか怒らせるようなことを言っちゃったかな?

心配する私とは反対に、天使くんは「いいよ」と私のラケットバッグを持った。中に入っている筒状のシャトルケースが、重力に従い、ゴトリと下がった音がする。


「自主練、付き合う」

「ほんと?嬉しい!」

「その猿みたいな体力、今からドンドン削ってあげるから。覚悟しててね」

「……さる?」


というわけで――

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