天使くん、その羽は使えません (短)
私と天使くんは、駐車場へ向かった。その時、天使くんの手に「バドミントンの知識・応用」という参考書があるのを見つける。

え、いつの間に私の机から取ったの?全然気づかなかった!


バタン


天使くんはラケットバッグを、駐車場の端に降ろす。「案外広いね」と言いながら、駐車場を見渡した。

ウチの駐車場はなぜか広くて、車が四台も置けるスペースがある。実際に置くのは、一台だけなんだけどね。


「これだけ広いと、何でも出来そうだ」

「私いつも素振をりしたり、フットワークしたりしてるんだ〜」

「素振り?フットワーク?」


天使くんは、手に持った参考書をペラペラめくる。そして該当するページを見つけたのか、読み上げた。


「素振りは、羽がない状態でラケットを振ること。フットワークは、羽までの足の運び方のこと――なるほどね」

「え、今ので分かったの?」
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