天使くん、その羽は使えません (短)
理解力半端ないなぁと思っていると、天使くんは参考書をパタンと閉じた。あれ?閉じちゃうの?

その後、参考書をラケットバッグの上に置いた後。天使くんは、無表情でこう言った。


「じゃあ、走って」

「へ?」

「素振りよりもフットワークよりも……ラケットを振る体力、足を動かす体力。君が一番にしなきゃいけない事って、体力作りじゃないの?」

(お、おっしゃる通りでございますー!!)


部活で一番苦手なのが、体力作り。山を走ったり、川のほとりを永遠に走ったり。とにかく持久走が苦手な私の、最大のライバル――それが、体力作り。
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