天使くん、その羽は使えません (短)
天使くんは「酸素吸ってたくせに」とボソリと呟く。だけど、その言葉は私には届かない。
「ねぇ天使くん」
「なに」
「また自主練に付き合ってね?」
「……いいよ」
「やったぁ!」
いつも無表情な天使くん。その顔に、呆れたような笑みが一瞬だけ浮かんで、また消える。
「天使くん、今、笑った?」って。そう聞こうと思った時。
玄関のドアを、お母さんがガチャリと開けた。
「晴衣ー、天翔(たかと)くーん。晩御飯をテイクアウトにするから、メニュー選んで~」
「……たかと、くん?」
天使くんが不思議がっている。あ、言ってなかったっけ?
「ねぇ天使くん」
「なに」
「また自主練に付き合ってね?」
「……いいよ」
「やったぁ!」
いつも無表情な天使くん。その顔に、呆れたような笑みが一瞬だけ浮かんで、また消える。
「天使くん、今、笑った?」って。そう聞こうと思った時。
玄関のドアを、お母さんがガチャリと開けた。
「晴衣ー、天翔(たかと)くーん。晩御飯をテイクアウトにするから、メニュー選んで~」
「……たかと、くん?」
天使くんが不思議がっている。あ、言ってなかったっけ?