天使くん、その羽は使えません (短)
「あ、来てたんだ」

「……うん。お待たせ!」


私の存在に気づいた天翔くん。こんな時でも、驚いた表情を見せない。うん、手強い。


「今度さ、お化け屋敷でも行く?」

「なんで?それより――声を掛けてくれれば良かったのに。なんで突っ立ってたの」


その言葉に、私はニッと笑った。


「目を奪われてたの。天翔くんが、あまりにも綺麗だから」

「綺麗?俺が?」

「天翔くんがね、キラキラ光ってるの。今も、すごく綺麗だよ」

「……」


フイっと顔をそらされる。あ、「何言ってんだか」って声が聞こえた。照れてる様子は、もちろんない。


「天翔くんって、いつも私のサポートをしてくれるでしょ?なおかつ綺麗な容姿!すごいよ」
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