天使くん、その羽は使えません (短)
男の子は金髪だった。金、といっても黄色ではなく、白けた金。それが、すっごく綺麗。肌も白くて、背も高くて……。


「……俺、何かついてる?」

「え、あ!」


いけない。男の子をずっと見ちゃってた。「ごめん」と頭を下げる。すると、私が背負っていた物が、自分の後頭部を直撃した。


ゴンッ

「いた!そう言えば、背負ってたっけ。忘れてたよ」

「……それ何?」


男の子は、チラリと。私が背負っている、大きなラケットバッグに目をやる。

今日は土曜日。朝早くから昼の今まで、部活をしてきたの。今は、その帰り。


「このカバンの中にね、部活で使う道具が入ってるの。あ、部活はバドミントンだよ!」

「……」

「あ、知らないかな?シャトルを打ち合うスポーツなんだけどね、楽しいんだよ!」

「シャトル?」


男の子が眉間にシワを寄せた。あ。シャトルって聞いて、まさかスペースシャトルを思い浮かんでないよね?あれは打てないよ、さすがにね。
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