天使くん、その羽は使えません (短)
すぐに目を開ける。すると、私の周りには……私を守るように、羽のドームが出来ていた。

つまり、これは――


(天翔くんが、私を守ってくれてるんだ!)


それが分かった瞬間、羽のドームは開いていく。だんだんと直射日光が、私の体を照らしていった。


「ま、ぶし……じゃなくて!天翔くん!大丈夫!?」


天翔くんは、翼をヒュンと仕舞う。そしてドサリと音を立てて、地面に倒れてしまった。すごく顔色が悪い……どうしようっ!


「誰か、……あ」


キョロキョロしていると、バサリと音がした。見上げると、私たちの真上にお兄さんがいる。


「天翔くんに、何をしたの!?」
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