天使くん、その羽は使えません (短)
「分からせてやっただけだ。正天使と準天使の違いをな。愚弟の無知は、兄である俺の責任。ソイツに似合いの然るべき道を、俺は示しただけだ」

「そんな……っ」


そんな事で天翔くんを傷つけたの?そんな事で、優しい天翔くんの心を踏みにじったの!?


「お兄さんは天翔くんを天使じゃないとか言うけど……。私からしてみれば、あなたの方が天使っぽくない!

優しい心を持った天翔くんの方が、よっぽど天使っぽいよ!」

「……言いたい事はそれだけか?」

「お兄さんが怒らないなら、まだまだ喋るけど!?」

「……」


お兄さんは「面倒だ」と言わんばかりの顔をして、二、三度はばたいた。ひょいと上を見たから、天界に帰るっぽい。

ん?天界に帰る??


「ちょ、ちょっと待って!お兄さん!」
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