天使くん、その羽は使えません (短)
「なんだ、騒々しいな」

「お兄さん、これから天界に帰るんだよね?じゃあ、この天翔くん……じゃなくて、弟くんも一緒に、天界へ連れて帰ってあげて!」

「なんで俺がそんな、」

「正天使って自慢げに言うくらいだから、当然できるよね!?」


煽るような言い方をしたのは謝る。だけど、もしも天翔くんが天界に戻れるなら、戻してあげたい。私の命が終わるその時に、また来てくれればいいんだから。

だけど――

お兄さんが言ったのは、予想外の事だった。


「断る」

「こと、……へ?」

「そもそも、ソイツを半年早く下界に行かせたのは私だ。もう戻って来るなという意味を込めて、天界から追い出した」

(あんたのせいだったんかい!!)


しれっと言ってるけど……、ちょっとちょっとお兄さん。

あなた、なんてことをしてくれたの!おかげで弟くん、毎日すごく暇そうだよ!?

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