天使くん、その羽は使えません (短)
「どうして、そんな事を言うの?」
「……まだ、」
「え?」
「晴衣が、まだ試合に出れるレベルじゃないから。このままじゃ晴衣はすぐに負けちゃうよ。だから、」
「本当にそれが理由?」
「……」
聞くと、天翔くんはコクリと頷く。
「もっと俺が鍛えてあげる。だから、この試合は棄権して。もっと晴衣が強くなってから、他の試合に出ればいいんだから。だから、」
「~っ!」
今まで冷静に聞いていた私だけど、天翔くんの言葉を、どうしても聞き逃すことは、出来なかった。
「そんなこと、言わないで!」