天使くん、その羽は使えません (短)
腕の中の晴衣を見る。相変わらず血だらけだけど、どこかを打った様子はない。
「よ、よか……」
安心して脱力した俺。そんな俺の前に現れた、兄さん。
ボロボロになった俺を見て、深くため息をついた。だけど「合格だ」と。珍しく怒ってない顔で、そう言った。
「合格?」
「神様からのお達しだ。お前の残りの寿命を、二つに分ける。一つは晴衣に、もう一つは――人間になったお前に与える、との事だ」
「俺が、人間に?」
信じられない言葉の数々に、頭がついていかない。
「どういう事?」
「お前を人間にすべきだと、俺が神様に進言した」
「兄さんが?どうして」
「……」
兄さんは空中に浮きながら、遠くを見た。その瞳に映っているのは、俺がネコを埋めた公園じゃないかって……何となく分かった。
「よ、よか……」
安心して脱力した俺。そんな俺の前に現れた、兄さん。
ボロボロになった俺を見て、深くため息をついた。だけど「合格だ」と。珍しく怒ってない顔で、そう言った。
「合格?」
「神様からのお達しだ。お前の残りの寿命を、二つに分ける。一つは晴衣に、もう一つは――人間になったお前に与える、との事だ」
「俺が、人間に?」
信じられない言葉の数々に、頭がついていかない。
「どういう事?」
「お前を人間にすべきだと、俺が神様に進言した」
「兄さんが?どうして」
「……」
兄さんは空中に浮きながら、遠くを見た。その瞳に映っているのは、俺がネコを埋めた公園じゃないかって……何となく分かった。