天使くん、その羽は使えません (短)
「来たいからココに来たって、……ウソをつくのは、悪いことだと思うよ?」

「ウソじゃ、…………ないこともない」

「(あ、誤魔化した)」


堂々とウソをつけないのは、天使のサガみたいなものかな?天使って、ウソをつかない清廉潔白なイメージがあるもんね。


「じゃ、じゃあさ、天使くん。ふらっと天界から降りてきたって事は、今日から泊まる所が必要だよね?」

「あ……そうだね」


しまった、忘れてた――と言わんばかりの天使くん。良かった。これなら「あの提案」をしてみても、良さそうだ。


「じゃあ天使くん。良ければウチに来ない?」

「君の家に?」

「うん。お父さんもお母さんも、私の友達だって言えば、絶対に許してくれるから」

「俺、男だよ?そういうのは人間界では厳しいんじゃないの?」

「ウチの親は、そのへんフリーダムなんだよ!」


笑って言うと、天使くんも「なら」と言って、口をへの字にするのをやめた。


「今日から半年、一緒にいさせてほしい」
< 9 / 89 >

この作品をシェア

pagetop