失恋タッグ
小悪魔な彼との契約
次の日の朝。
私はボロボロの顔で、会社に出勤した。
有給休暇を使って休もうかとも考えたが、今日は終日、定例会議で上の役職のものは全員不在だった。
何かトラブルでもあったら後輩達が困るだろうと躊躇ってしまったのだ。
まあ、開発企画部のリーダーである快斗も、朝から定例会議に出席していたため、顔を合わせることはない。
朝、鏡で顔を見ると泣きはらした赤い瞼に、一睡もできずにいたため目の下にはどす黒いクマが出来ていた。
この顔を快斗だけは絶対に見られたくはなかった。
「どうした?その顔?」
出社早々、隣のデスクの栞奈に驚いた顔で問われた。
なんとか化粧で隠そうと努力はしたが、やはり隠しきれなかったのだろう。
「別れた..」
私は小声で呟いた。
「はッ?誰と?」
栞奈もつられて小声で問いかける。
「快斗に決まってるでしょ?」
「なんで?昨日、仲良さげに二人で一次会抜けてたじゃない?」
栞奈は訳が分からないといったように、狼狽した様子で問う。
「浮気されてたの」
「はあッ?誰と?」
栞奈は今度は怒りを含んだ声色で問いかけてきた。しかも、声が大きい。