失恋タッグ
「あきれた...全く持って同意しかねるわ」


あほらしい....

私からしてみれば、どっちもどっちだ。

朝比奈くんのくだらない理由に、前のめりで聞いていた身体を、預けるように椅子に沈めた。


「それに、その相手は倉木リーダーですよね..？」

しかし、次に朝比奈くんの口から飛び出した名前に私は心臓がドクリと波打ち表情を曇らせた。

「倉木リーダーは秋月先輩がいるのに、有森と...」

それでも、言葉を続ける朝比奈くんを私は
「やめてっ」と、叫ぶようにその言葉を止める。

「すみません。」

朝比奈くんは私の表情を見て、謝罪した。

「私こそ、大きな声出してごめん。」


「でも、、悔しくないですか？
同じ部署の子に手を出されて..」


「知ったような口、聞かないでよ..」


震えだす声に、咄嗟に唇を噛んだ。

悔しいに決まってるじゃない...

「結婚の約束してたのよ...」

結婚情報誌だって何冊も買ったし、嬉しくて学生時代の友達にも話してしまった。

親にだって、彼を連れて挨拶行くと言ってあるのに...

「なのに、今更別れようなんて簡単に言わないでよ。」

涙がほろりと流れてしまい、咄嗟にそれを手で拭う。

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