失恋タッグ
「ね?ワクワクしてこない?」
先輩は見惚れて答えない僕にもう一度問いかけてきた。
「···あっ···はい···───」
僕はハッと我に返り、相槌を打つ。
自分の手掛けた商品が定番商品として店頭に並び多くの人に喜んでもらえる······
先輩の言う通り、想像しただけで胸が沸き立つようにワクワクしてくる···───
「そうですね···
最近は気ばかり焦って忘れてました..
僕は入社当初から商品開発の仕事に携わってみたかったんです。この仕事は大変だけど、楽しいです···──」
「そう!!楽しいのっ!!
試行錯誤する過程も大変だけど楽しい···。
私もこの仕事ね...好きなんだ...」
先輩の瞳が嬉しそうに大きく弧を描いた。
「なかなか上手くいかなくて、焦っちゃうかもしれないけど、大丈夫。
朝比奈くんなら、きっと良い商品作れると思うわ」
先輩がキラキラと輝いて見えるのは、単に容姿が綺麗なだけじゃない...
きっと、好きな仕事を真剣に取り組んでいる姿が彼女を輝かせてみせるのだろう···
「それでも、駄目だった時は、先輩が一緒にやけ酒、飲んであげるからっ」
そう言って、先輩は僕の背中をバシッと叩いた。
「じゃあ...先輩と飲みたいので、ホドホドに頑張ります───」
「馬鹿っ。何いってんの!
全力で頑張りなさい」
秋月先輩は笑いながら立ち上がると、休憩室を出ていこうとする。
「秋月先輩ッ」
僕は咄嗟に彼女を呼び止めた。
秋月先輩は振り返ると、ん?と首を傾げた。
別に次に話す言葉なんて決めてなくて...
ただ単にもっと話したかっただけなんて言えるはずがない。
「·····ありがとうございます」
僕は取り繕うようにお礼を言った。
秋月先輩は、フフっと柔和に微笑むと休憩室を後にした。
本当に素敵な女性だと思った。
でも···──
憧れは憧れのままにしておかないといけない。
先輩は倉木リーダーの彼女......
僕はチクりと胸を刺す痛みを、無視するように先輩から貰った缶コーヒーを見つめた。
近づきすぎると痛い思いをするのは目に見えている···───
僕はそれ以来、極力、先輩と関わることを避けるようになった。
先輩は見惚れて答えない僕にもう一度問いかけてきた。
「···あっ···はい···───」
僕はハッと我に返り、相槌を打つ。
自分の手掛けた商品が定番商品として店頭に並び多くの人に喜んでもらえる······
先輩の言う通り、想像しただけで胸が沸き立つようにワクワクしてくる···───
「そうですね···
最近は気ばかり焦って忘れてました..
僕は入社当初から商品開発の仕事に携わってみたかったんです。この仕事は大変だけど、楽しいです···──」
「そう!!楽しいのっ!!
試行錯誤する過程も大変だけど楽しい···。
私もこの仕事ね...好きなんだ...」
先輩の瞳が嬉しそうに大きく弧を描いた。
「なかなか上手くいかなくて、焦っちゃうかもしれないけど、大丈夫。
朝比奈くんなら、きっと良い商品作れると思うわ」
先輩がキラキラと輝いて見えるのは、単に容姿が綺麗なだけじゃない...
きっと、好きな仕事を真剣に取り組んでいる姿が彼女を輝かせてみせるのだろう···
「それでも、駄目だった時は、先輩が一緒にやけ酒、飲んであげるからっ」
そう言って、先輩は僕の背中をバシッと叩いた。
「じゃあ...先輩と飲みたいので、ホドホドに頑張ります───」
「馬鹿っ。何いってんの!
全力で頑張りなさい」
秋月先輩は笑いながら立ち上がると、休憩室を出ていこうとする。
「秋月先輩ッ」
僕は咄嗟に彼女を呼び止めた。
秋月先輩は振り返ると、ん?と首を傾げた。
別に次に話す言葉なんて決めてなくて...
ただ単にもっと話したかっただけなんて言えるはずがない。
「·····ありがとうございます」
僕は取り繕うようにお礼を言った。
秋月先輩は、フフっと柔和に微笑むと休憩室を後にした。
本当に素敵な女性だと思った。
でも···──
憧れは憧れのままにしておかないといけない。
先輩は倉木リーダーの彼女......
僕はチクりと胸を刺す痛みを、無視するように先輩から貰った缶コーヒーを見つめた。
近づきすぎると痛い思いをするのは目に見えている···───
僕はそれ以来、極力、先輩と関わることを避けるようになった。