失恋タッグ
私が働いているアンジュ製菓は国内で五本の指に入る大手お菓子メーカーだ。
そこの商品企画開発部に配属されてから、今年で5年目になる。
我が社の新商品開発は二人ペアを組んで、競わす形でお菓子を開発するのだけど、必ずしも商品化されるはずもなく商品化されてもヒットするとは限らない。
しかし、快斗とペアを組んでから商品化され、運良くそれが大ヒットしたことで今回、社長から功労賞を頂いたのだ。
功労賞を受賞したものは会社の業績に大きく貢献したとして、給料やボーナスが大幅にアップすることから皆、功労賞を狙っていることは言うまでもない。
その功労賞を受賞した快斗は、出世街道まっしぐらと予想され、女の子達は彼女である私がいるにも関わらず、猛アピールの嵐なのだ。
社内では公認のカップルにも関わらず、今年で30歳を迎えた私の存在は、彼女たちには見えてないようだ。
だけど、いつもならやきもきしていたその光景も、今日は苦にならない。
何故なら、快斗から2か月ほど前にプロポーズされたからだ。
思わず顔が緩みそうになって唇を噛んだ。
栞奈にはまだ快斗からプロポーズされたことは話してない。
「栞奈、実はね..」
私は快斗からプロポーズされたことを打ち明けようと口を開いた。
「せんぱーい、功労賞おめでとうございます」
その時、いきなり猫なで声で私たちの間に、ビール瓶を手に割って入ってきたものがいた。
同じ部署で後輩の有森沙苗だった。
栞奈は向かいであからさまに嫌そうな顔をしている。
さすが、それは顔に出しすぎではないのか?
私は沙苗ちゃんに目を移した。
しかし、そんな栞奈を前にしても気づいているのかいないのか、沙苗ちゃんは「ビールおつぎしますね」とマイペースに私のグラスにビールを注ぎ始めた。
そこの商品企画開発部に配属されてから、今年で5年目になる。
我が社の新商品開発は二人ペアを組んで、競わす形でお菓子を開発するのだけど、必ずしも商品化されるはずもなく商品化されてもヒットするとは限らない。
しかし、快斗とペアを組んでから商品化され、運良くそれが大ヒットしたことで今回、社長から功労賞を頂いたのだ。
功労賞を受賞したものは会社の業績に大きく貢献したとして、給料やボーナスが大幅にアップすることから皆、功労賞を狙っていることは言うまでもない。
その功労賞を受賞した快斗は、出世街道まっしぐらと予想され、女の子達は彼女である私がいるにも関わらず、猛アピールの嵐なのだ。
社内では公認のカップルにも関わらず、今年で30歳を迎えた私の存在は、彼女たちには見えてないようだ。
だけど、いつもならやきもきしていたその光景も、今日は苦にならない。
何故なら、快斗から2か月ほど前にプロポーズされたからだ。
思わず顔が緩みそうになって唇を噛んだ。
栞奈にはまだ快斗からプロポーズされたことは話してない。
「栞奈、実はね..」
私は快斗からプロポーズされたことを打ち明けようと口を開いた。
「せんぱーい、功労賞おめでとうございます」
その時、いきなり猫なで声で私たちの間に、ビール瓶を手に割って入ってきたものがいた。
同じ部署で後輩の有森沙苗だった。
栞奈は向かいであからさまに嫌そうな顔をしている。
さすが、それは顔に出しすぎではないのか?
私は沙苗ちゃんに目を移した。
しかし、そんな栞奈を前にしても気づいているのかいないのか、沙苗ちゃんは「ビールおつぎしますね」とマイペースに私のグラスにビールを注ぎ始めた。