失恋タッグ
まずは、叔父の承諾を貰わないと始まらない···──。
コンコンッ
僕は社長室のドアを軽く2度ほどノックした。
「はい」と中から叔父の声が聞こえて扉を開けた。
「失礼します」
入ってきた僕に叔父はびっくりした表情で口を開いた。
「航…──、どうかしたか?」
「叔父さん、折り入って頼みたいことがあってきました」
僕の真剣な表情に叔父さんも表情を硬くした。
「まあ、座れ」
叔父さんは応接セットのソファーに向かって顎でしゃくった。
僕がソファーに腰を掛けると、叔父さんも向かい側に腰を下ろす。
「回りくどい話は面倒なので、率直に言います。
次の僕の商品開発のペアの相手を秋月柚葉さんにして欲しいんです」
僕の言葉に叔父は眉間に皺を寄せた。
「秋月くんはすでに役職を与えてもいいほどの経験を積んでいる。
お前はまだ部署に異動して1年かそこらだ。
今までの前例からして異例なことだ。
お前にはまだ早い。指導者がついてまだまだ勉強が必要だ」
「だけど、同期の有森は常務に交渉して、倉木リーダーとペアを組むことを承諾されたそうです。有森を良しとするなら、僕にもチャンスを与えてくれても良いでしょう?」
叔父は眉間に寄せていた皺をより一層深くさせた。
その表情から常務から社長にまだ話は通っていないらしい。
叔父はなんとなく状況を把握したのか呆れたようにため息をついた。
しかし、叔父もペア決めはすでに常務に一任した手前、あまり口出しすることもできないだろう。
社長は今は海外市場に開拓を広げているから、忙しくて内部のことは下の役員にほぼ任せきりにしているのだ。
コンコンッ
僕は社長室のドアを軽く2度ほどノックした。
「はい」と中から叔父の声が聞こえて扉を開けた。
「失礼します」
入ってきた僕に叔父はびっくりした表情で口を開いた。
「航…──、どうかしたか?」
「叔父さん、折り入って頼みたいことがあってきました」
僕の真剣な表情に叔父さんも表情を硬くした。
「まあ、座れ」
叔父さんは応接セットのソファーに向かって顎でしゃくった。
僕がソファーに腰を掛けると、叔父さんも向かい側に腰を下ろす。
「回りくどい話は面倒なので、率直に言います。
次の僕の商品開発のペアの相手を秋月柚葉さんにして欲しいんです」
僕の言葉に叔父は眉間に皺を寄せた。
「秋月くんはすでに役職を与えてもいいほどの経験を積んでいる。
お前はまだ部署に異動して1年かそこらだ。
今までの前例からして異例なことだ。
お前にはまだ早い。指導者がついてまだまだ勉強が必要だ」
「だけど、同期の有森は常務に交渉して、倉木リーダーとペアを組むことを承諾されたそうです。有森を良しとするなら、僕にもチャンスを与えてくれても良いでしょう?」
叔父は眉間に寄せていた皺をより一層深くさせた。
その表情から常務から社長にまだ話は通っていないらしい。
叔父はなんとなく状況を把握したのか呆れたようにため息をついた。
しかし、叔父もペア決めはすでに常務に一任した手前、あまり口出しすることもできないだろう。
社長は今は海外市場に開拓を広げているから、忙しくて内部のことは下の役員にほぼ任せきりにしているのだ。