失恋タッグ

「もうそろそろお昼の時間ですね。
取り敢えずは先ほど出た案を簡単にまとめておきます」

朝比奈くんは先ほど出たアイデアをパソコンに簡単にまとめている。

言われなくても、自ら率先して仕事を進めてくれる優秀すぎる後輩···──。

私はその様子を頬杖をついて眺めていた。


「ねえ？朝比奈くん？」


「はい」


朝比奈くんはパソコンを打ちながら
チラリと視線をよこす。


「土曜日、空いてる？」


朝比奈くんは、パソコンを打つ手を止めて
驚いたように顔を上げた。


そして、少しの沈黙の後···───


「....空けます」



空いてるではなく、空けますということは
何か予定があったのかもしれない。

もしかしたら、モテる彼のことだ、彼女とデートという可能性もある。


「別に予定があるなら、無理しなくてもいいのよ？」


「いえ、空いてます」


「本当に？」


「はい」


朝比奈くんは二つ返事で答えた。