イケメンくんは地味子に夢中
「THE・ガリ勉……」



前髪が長めのウィッグだから顔が隠れてて表情が見えないし、そもそもメガネのせいで目が超小さく見えている。



「わたし……こんなんで本当に大丈夫かな!?」



風月学園はお金持ちが通っているセキュリティのしっかりした学校なだけあって、容姿が整っている人が多いと聞く。

そんな中にこのTHE・ガリ勉な感じのわたしが行ったらただただ浮くよね……。



「お友達、できるといいんだけど……」



そろそろお母さん来ちゃう。

ご飯食べたし。歯磨きしたし。

ウィッグとカラコンとメガネもした。



「よし。頑張らないと」



必要なものを持って、マンションの外へ。



「凜花〜」

「あっお母さん」

「うっわ、めちゃくちゃ地味じゃない!」

「うっわとか言わないで!?」



文句を言いつつ、お母さんの運転する車に乗り込む。



「凜花」

「なぁに?」

「無理だけはしちゃだめよ?」

「……?うん?」

「凜花がアイドルになってからろくに休めてないでしょ?」



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