イケメンくんは地味子に夢中
いつも『RIN!今日も来たよ!ゆっくり休んでね?』とか『RINが生まれてきてくれて本当に良かった!ご両親にも感謝だよ!!』とか優しい言葉をかけてくれていた。

もしかして人違いかな?



「言い忘れていたな、俺は生徒会長の北村颯だ」



うん。人違いじゃなかった。

どうしちゃったんだろう。颯くん、まるで別人みたい……。



「職員室まで行くぞ」

「あっはい」



これは知らないふりしてたほうが良さそう。向こうも気づいていないみたいだし。



「お前、名前は」

「島田凜花です」

「りんか……?」

「どうかしましたか?」

「いや、なんでもない」



首かしげてるけど……どうしたのかな?



「凜花……ってまさかな。名前と声はRINに似ているがこんな地味女がRINなわけがない」



それにしてもこの学校広いなぁ。

どうしよう、すぐ迷子になっちゃうかもしれない。……いい加減方向音痴なおしたいんだけどなぁ。



「職員室はここだ。俺はもう行くからな。地味女、その重たい前髪をせめてどうにかしておけ」

「……え?」



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