イケメンくんは地味子に夢中
「えっと……あの、わたし、さすがにひとりで部屋までいけますよ……?」

「俺の家、ここだから」

「へっ?」



んーっと?

わたしが住んでいるマンションはここ。

で、成瀬くんのお家もここ。

まさかの、同じマンション。



「同じ、マンション……」

「らしいな」

「……」



とりあえず同じ場所に帰るのでついて行かないわけにもいかず、先を歩く成瀬くんのあとを追う。

エレベーターに乗り、ボタンを押そうとしたら。

もうすでに光っている最上階のボタン。



「なに」

「え、あ、まさか……最上階……?」

「そうだけど。なに、まさか……」



お互いにそれ以上は何も言わず、少し気まずくなるエレベーター内。

まさか、ね。部屋が隣なんてことはないだろうし。

RINだってバレることもないよね、きっと。

なんて思っていたのが数分前。



「え、まさかお部屋がこことか言わないですよね……?」

「ここだけど」

「え……」

「隣なの?部屋」

「なんかそうみたいですね……」

「ふーん」



なんで……。

今日はことごとく全部フラグ回収だよ……。



「えっと……じゃあわたしはこれで……」

「なぁ」

「はい?」

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