イケメンくんは地味子に夢中
凜花は当時から運動神経がよく、周りから一目置かれる存在だった。

そこらの男よりも全然足が速いし、なんていうか……全体的にすごかった。

運動神経だけじゃない。

頭もよかったし、歌もうまかった。それに加えてあの顔面。

さらには性格もいいという。

当たり前に男はみんな凜花の虜だった。

そんな感じだから凜花は女子に敵を多く作っていて……なんてこともなく、女子にも人気。

凜花が行くところにはすぐに人が集まるような、天性の人たらしと言うか、生まれながらの才能。



「りんかね、おっきくなったらじゅりくんとけっこんするの!」

「えっ」

「じゅりくんはりんかのおーじさまだから、おっきくなったらりんかをおよめさんにしてね?」

「う、うんっ!」



そんな子供同士の約束も実現してやろうかと、本気で考えたことが何度あったか。

でも、そんなつかの間の時間はあっという間で。



「わたしね、引っ越すんだ」

「え」

「最近、アイドルになったから」



この頃の凜花は、スカウトでアイドルになりたての駆け出しアイドルだった。



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