イケメンくんは地味子に夢中
「えっいいの?」



嬉しそうに笑顔になった凜花からスマホを受け取り、地図を見る。



「は、ここって……」

「えっと……どうかしましたか?」

「いや、別になんでもない。行くぞ、送ってやるからついてこい」

「あっはい!」



同じマンション?

まじで今の俺誰だよ、好きな女に会えてテンションあがって動揺抑えるためにいつもと違う態度になるとか。

自分で自分をキモイと思った。



「お前さ、方向音痴なら寮住めばよかったじゃん。敷地内だから基本迷子にならないだろ」



ふたりで歩けるとか俺得でしかないな、とか思いながらも凜花にとっては初対面の男。

気まずいよな、普通に。

もちろん無言は気まずいから話を振ろうと話題を探す。



「えっと、それはー……」



少し渋る凜花を見て、話したくない内容聞いたかなとまた後悔。

アイドルやってたし、この格好してるのにも理由があるだろうからきっとその関係だろう。



「まぁ色々あるよな。俺も寮住みたくねーから一人暮らししてるし」

「そうなんだ」



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