イケメンくんは地味子に夢中
屋上の重たい扉を開け、見えた景色に絶望する。



「どーもー」

「……ぇ」

「麗斗、成瀬くんいるのは聞いてないんだけど!」

「まぁまぁ落ち着いて」



そこにはわたしと同じくびっくりしている成瀬くんがいた。

美璃愛ちゃんも成瀬くんも知らなかったみたいだからとにかく状況がカオス。



「あー、自己紹介してなかったっけね。俺秋元麗斗。秋元でも麗斗でもれいくんでもなんでも好きに呼んでー」

「え、あ、はい」



圧強め。マシンガントーク。



「れい、くっ、ん……っあはは!」

「え!?」

「今までそれで呼ばれてるの聞いたことないんだけど!おもしろすぎるよ……っ!」

「妹の友達には呼ばれてるわ!聞いたことないだけだろ!」



突然笑い出した美璃愛ちゃんのおかげで空気が少し和む。

とりあえずとっても愉快な人だってことはよくわかった。



「あ、こいつは成瀬樹李ね。無口だし全然笑わないし、あんまおもしろくないやつかもしれないけど仲良くしてやってね」

「おもしろくないは余計だ、アホ。まじで黙れ、マシンガントークうるせぇ」



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