イケメンくんは地味子に夢中
「「っは!?」」

「昔からずっと好きだからな、結婚の約束もした」



成瀬くん好きな人いるんだ……!

しかも小さいときの結婚の約束まで……!



「付き合ってねーの?」

「だって向こう俺のこと忘れてるからな」

「まじかよ!このイケメン忘れてるとかどこの女だよ!」

「ちょーかわいー子だよ、お前には絶対渡さねーけど」

「別にいいよ、俺も好きな人いるし。俺の前に現れた天使!!」

「うわきも」



芸能界にいたらこんな時間は過ごせなかった。

ファンのみんなには申し訳ないけど、わたしはアイドルを引退して良かったと思っている。芸能界に未練は残っていないから。

こうやって友達と屋上でお昼ごはんを食べながら何の役にもたたないようなくだらない話をしたり。だらだら過ごすような時間がわたしの憧れだった。



「でも樹李が惚れる女ってことは相当顔整ってるよな……まさかRINとか?」

「RINと隣に並んでても成瀬くんなら違和感ないかも〜」



……RINっ!?

自分の活動名が出たことでビクッと過剰に反応してしまった。



「凜花ちゃん?」

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