イケメンくんは地味子に夢中
声のした方向に目を向けると、そこにいたのは颯くんだった。

まずい……っ。



「そこにいるのは誰だ?」



颯くんはまだこっちの姿を確認できていないらしく、探している様子。

見つかる前に逃げなきゃ……!

そう思って動き出した瞬間、小枝を踏んでしまいぱきっと音がなった。しかもそこそこの大きさで。



「こっちか……編入生?」



見つかってしまった……。



「……RINのLOVE Berry、知っているのか」

「……はい」

「今歌っていたのはお前か」

「……」



肯定も否定もできないまま、なにも言えずにいると。



「お前はよほどの熱狂的ファンなのか?」

「あ、えっと……」

「……いや、待て。この曲はRIN以外に歌える人がいない。声もRINに似ている。まさか……っ」



そうぶつぶつ呟いたあと、こっちに向かって手を伸ばしてきた颯くん。

抵抗する暇もなく、メガネを取られてしまった。



「RIN……っ!!!」



バレ、ちゃった……。

颯くんにはバレたくなかったのに。

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