イケメンくんは地味子に夢中
「この姿じゃ誰もRINって気づかないし、地味って言われてるのも今の見た目は本当に地味だから事実だしね」



ぽつぽつと話すわたしの話を静かに聞く颯くん。

こっちを見ている颯くんの肩は震えていた。


「アイドルやってたときのほうがもっときついことも言われてきたし、このくらいじゃわたし全然傷つかないよ!」



震えながら話を聞いてくれる颯くんにさらに話を続ける。



「あのアイドル戦国時代を生き抜いてきたわたしなんだもん、こんなことじゃへこたれないから!」



アイドルだったときに言われてきた言葉のほうがもっとひどかった。

「死ね」とかTHE悪口って感じのものを言う人もいれば、「親が金持ちだから活動できている」「人気は金で買っている」とか家族やファンのみんなのことを悪く言う人もいた。

嬉しいことにRINとして知名度が高くなっていって。知名度が上がってファンが増える分、アンチも増えていく。

アンチに言われてきた言葉のほうが、よっぽどつらかったから。

人の悪いところしか見つけられない可哀想な人、人を下げないと自分を好きになれない人。アンチのことは『不幸な人』だと思って流すようになった。

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