イケメンくんは地味子に夢中
「え、気にするとこそこ?」



何事もなかったかのように振る舞ってくれる美璃愛ちゃんを見て、また泣きそうになる。

こんないい子と友達になれてわたし、超幸せものじゃん。



「わたしね、RINの大ファンだったんだー」

「え!」

「ライブもいっぱい参戦したし。……握手会は恥ずかしくて行けなかったんだけどね?」

「え、そうなの!?」

「だけど、もう推しのRINとファンの美璃愛じゃなくて、島田凜花と萩野美璃愛だから!!」



……!!

わたしが少しでも気にしないようになのか、何も意識していないのかはわからない。

でも、今の言葉でわたしの心が軽くなったのも、美璃愛ちゃんのことがより大好きになったのも事実。



「ありがとう……!」

「もう……っ、また泣かないでね?つられちゃうから……!」



そんなこんなでまたふたりできゃっきゃして。

やっと落ち着いた頃にはお昼を過ぎていた。



「えもう13時半なんだけど」

「ほんとだ」

「お昼どーしよっか」

「デリバリーしよ!!」



目も泣きすぎたせいでぱんぱんに腫れていて、外食に行こうにも行けないので。

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