イケメンくんは地味子に夢中
どうしよう、なにも思い出せない。

うんうん唸って考えていたら。



「ねーね?」

「どーしたの?」



心配そうに双子に顔を覗き込まれる。



「ごめんね、大丈夫だよ。ちょっと考えごとしてただけ!」

「あのね、りんなね、さっきてれびでねーねのことみたよ!!」

「あー……」



まだやってるんだ。

わたしはここ最近はずっとテレビは見てないから知らないけど、こうやってよく凜菜が教えてくれる。

テレビではまだ、わたしが今どうしているのかとか、海外へ!?みたいな考察とかの番組がやってる。



「ねーねつぎてれびいつー?」

「りんやもみたい!!」

「んーいつだろうなー。またテレビ見てたら映るかも?」



双子はわたしがアイドルをやめたことをちゃんとわかっていない。

まだ小学生にもなってないから。

お母さんからもお父さんからも説明したけど難しくてわかってくれなかった。



「凜菜、凜也。ねーちゃんの足疲れちゃうから両足の上乗るのやめな」

「じゃありんや、にーにのうえいく!!」



ソファに座ったとき、乗ってこようとした双子を止めてくれた凜斗。

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