イケメンくんは地味子に夢中
やっぱり出店?



「じゃあシンデレラ役は島田さんでいいですかー?」

「へっ?」



ひとりで考えていたら急に名指しで呼ばれ、慌てて顔をあげた。



「だーかーらーシンデレラ役は島田さんでいいかって聞いてんの」



あの子……さっきの子だ。

やっぱり悪意のある名指し、かな。



「大丈夫、だけど……他やりたい人、いないの?」



ニヤニヤニヤニヤ。

教室の至るところから視線を感じる。

教卓の横であわあわしてる紗季ちゃんの姿も目に入った。



「凜花ちゃん……大丈夫?」



美璃愛ちゃんが心配そうに声をかけてくれたけど、演技なら全然大丈夫!

美璃愛ちゃんも知っての通り、RINだから。たくさん映画もドラマもやってきた。

シンデレラなんて小学校でやったからセリフも覚えてる。わたしならいける。



「うん!!まかせて?」

「さすがRINだねっ」



小さな声でそう言った彼女を軽く小突き、名指ししてきた女の子の方を向く。



「いないなら、わたし全然やるよ!」

「……チッ」



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