again
「美緒、クラス会どうする?」

 翌日、高校の同級生だった宮谷有紗(みやたにありさ)から電話があった。高三の時同じクラスだった有紗の元にも、当然クラス会の案内状が届いたのだ。有紗とは、今も頻繁に会う仲だった。

「うーん……。有紗が行くなら行こうかなと思ってるんだけど……」
「なら出席だね! (しげ)ちゃんがめちゃくちゃ楽しみにしてるらしいよ」

 キャッキャと甲高い有紗の笑い声が耳に響く。
 『繁ちゃん』は、クラス担任の繁田悟(しげたさとる)だ。

「そうなんだぁ」
「『もっと早く開いて欲しかったよ。待ちくたびれた』なんて、幹事の(なお)ちゃんに直接電話あったらしいよ」
「繁田先生らしいね」

 しっかり者の浜崎尚美(はまさきなおみ)のツンとすました顔と、繁田先生の優しい笑顔が目に浮かび、懐かしさで美緒の口元が緩む。
 有紗との電話を切ってからすぐに、返信ハガキの出席に丸を付け、翌日ポストに投函した。

 次の休みにはデパートに出掛け、美緒は新しい洋服とバッグ、パンプスを購入した。
 参加を躊躇ってはいたが、行くと決まると多少の気合いは入ってしまうものだ。やはり、昔とは違う大人の女になった自分を見せたい、そう思ってしまう。
< 2 / 7 >

この作品をシェア

pagetop