again
クラス会当日、少し遅れて美緒が会場に到着すると、既にいくつかの輪が出来ていて、クラスでもリーダー的存在だった有紗は、やはり皆に囲まれていた。
こちらに気付いて手を上げた有紗に、美緒が笑顔で手を振った時だった。
「久しぶり」
懐かしいハスキーボイスに振り向くと、石黒佑樹が立っていた。
「佑君……」
「美緒、元気だったか?」
「うん。……佑君、高橋さんと結婚したんだってね」
「おお……そうなんだ。子供が一人いる」
「へえ、パパ……なんだ」
それ以上は言わなかったが、美緒は驚いていた。七年も経てば人は成長するだろうし、見た目も考え方も変わって当然だと思う。ただ、美緒の知る佑樹は活発で……。活発というよりは、かなりヤンチャな感じだった。だから、真面目で目立たない瑞希と結婚したことが意外だったのだ。そして、子供までいるという。佑樹がこんなに早いうちに家庭に収まるとは想像出来なかったのだ。
「まあいろいろあってな……」
「そう……なんだ」
佑樹が何か言いたげな、そして聞いて欲しそうな表情をしているように見えたが、美緒は黙っていた。
すると少し間を置いて、佑樹が言った。
「美緒、好きだった」
「え?」
「あん時は悪かったな。今思えば、俺すげえ調子に乗ってたと思う」
「……知ってる」
言ってから、美緒はクスッと笑った。
「美緒はすげえいい女だったのに。別れた原因……俺の浮気だっただろ」
「やだっ、何を今更? 佑君酔ってるでしょ」
「素面じゃ言えねえよ」
「はあ?」
「瑞希と結婚したのは、そんなんじゃなくて……」
「え?」
「一度の、その……過ちで子供が出来て」
「……そう」
返す言葉が見付からなかった。
「本当はすげえ後悔してて」
「え? 結婚したことを?」
「いや、美緒と別れたこと」
「もう過ぎたことじゃん。私はいい思い出だよ。あの頃はすごく悲しくて、この世の終わりかってくらい落ち込んだけど、今こうして佑君と再会して、懐かしむことが出来てるんだもん」
「美緒が離婚したって聞いて、俺やっぱり……」
「うん。……えっ!? ちょっとぉ……勘弁してよ。私そんな気ないよ」
美緒は、突然そんなことを言い出した佑樹に、少し腹を立てた。
佑樹はやはり変わっていないようだ。
「美緒……」
佑樹が美緒に一歩近付いた瞬間――
こちらに気付いて手を上げた有紗に、美緒が笑顔で手を振った時だった。
「久しぶり」
懐かしいハスキーボイスに振り向くと、石黒佑樹が立っていた。
「佑君……」
「美緒、元気だったか?」
「うん。……佑君、高橋さんと結婚したんだってね」
「おお……そうなんだ。子供が一人いる」
「へえ、パパ……なんだ」
それ以上は言わなかったが、美緒は驚いていた。七年も経てば人は成長するだろうし、見た目も考え方も変わって当然だと思う。ただ、美緒の知る佑樹は活発で……。活発というよりは、かなりヤンチャな感じだった。だから、真面目で目立たない瑞希と結婚したことが意外だったのだ。そして、子供までいるという。佑樹がこんなに早いうちに家庭に収まるとは想像出来なかったのだ。
「まあいろいろあってな……」
「そう……なんだ」
佑樹が何か言いたげな、そして聞いて欲しそうな表情をしているように見えたが、美緒は黙っていた。
すると少し間を置いて、佑樹が言った。
「美緒、好きだった」
「え?」
「あん時は悪かったな。今思えば、俺すげえ調子に乗ってたと思う」
「……知ってる」
言ってから、美緒はクスッと笑った。
「美緒はすげえいい女だったのに。別れた原因……俺の浮気だっただろ」
「やだっ、何を今更? 佑君酔ってるでしょ」
「素面じゃ言えねえよ」
「はあ?」
「瑞希と結婚したのは、そんなんじゃなくて……」
「え?」
「一度の、その……過ちで子供が出来て」
「……そう」
返す言葉が見付からなかった。
「本当はすげえ後悔してて」
「え? 結婚したことを?」
「いや、美緒と別れたこと」
「もう過ぎたことじゃん。私はいい思い出だよ。あの頃はすごく悲しくて、この世の終わりかってくらい落ち込んだけど、今こうして佑君と再会して、懐かしむことが出来てるんだもん」
「美緒が離婚したって聞いて、俺やっぱり……」
「うん。……えっ!? ちょっとぉ……勘弁してよ。私そんな気ないよ」
美緒は、突然そんなことを言い出した佑樹に、少し腹を立てた。
佑樹はやはり変わっていないようだ。
「美緒……」
佑樹が美緒に一歩近付いた瞬間――