3121号室の狼〜孤高な冷徹御曹司の愛に溺れるまで〜
第9話.誕生日
「美守先輩なんかめっちゃ幸せそうですね。もしかして、瀬名先輩とあれから進展あったんですか!?」
桜井さんとお昼休憩が重なり、私達はホテルの近くのカフェでランチをしているところ、不意に持ち掛けられた瀬名さんとの食事会の話題に、私はサンドイッチを食べようと伸ばした手が止まる。
「……あ。それは……」
食事会のことを報告すると自分で言っときながら、すっかり忘れていた私。
「じ、実はですね……」
申し訳ないと心の中で謝罪しながら、私はあの時の出来事を桜井さんに包み隠さず全て打ち明けた。
「えええっ!?そんなあぁ!瀬名先輩結婚するんですかぁぁぁ!?」
すると、想像以上に大きなリアクションをとった桜井さんに度肝を抜かされた私は、驚きのあまり激しく脈打つ鼓動を抑えながら、首を縦に振る。
「この話ホテル内ではかなり衝撃的ですよっ!これで泣いちゃう子続出しますし!てか、私も泣きそうですっ!!」
確か、桜井さんはお付き合いをされている方がいらっしゃるのでは?
……と、内心疑問に思いながら、相変わらずの気迫に私はただ苦笑いしか出来なかった。
「それなのに、何で美守先輩は全然平気そうなんですか?寧ろ、最近更に輝いて見えますけど?瀬名先輩の事好きなんですよね?」
……なんて油断していると、険しい顔付きで急に桜井さんの尋問が始まってしまい、私はぎくりと肩が震え表情を強張らせてしまう。
「……あ、えっと……」
確かに、ここ最近ずっと楓様の事で頭がいっぱいだったから全く意識していなかったけど、気付けば失恋の痛みはもうすっかりと感じなくなっていた。
その上、楓様からはっきりと専属バトラーとして認めると仰られて以降、それからずっと幸せな気持ちに浸っていたので、今ではそんな話は遠い昔のように思え、私の心は完全に近い形で吹っ切れていた。
「もしかして美守先輩、マジで東郷様の事好きになったんですか?しかも、その様子を見る限りだと何か良い感じになってきてます?」
「…………桜井さんは超能力か何かをお持ちなんでしょうか?」
またフワフワと心が浮かび上がりそうになる手前、まさかの心境を全て言い当ててきた事に驚きを隠せない私は、何故にこうも分かってしまうのかが不思議で、思わず否定する事を忘れてあっさりと認めてしまう。
「ええっ!?本当にそうなんですか!?てか、瀬名先輩の結婚よりもそっちの方が驚きなんですけど!?」
それから再び火が付いてしまった桜井さんの勢いにまたもや押されてしまい、私はたじたじになりながら視線を泳がす。
「楓様とは何もないですから。ただ、最近専属バトラーとして認めて頂けたので、それが嬉しいんです。……あと、近々また来るかもって仰って下さったので……」
そう白状した途端、脳裏に別れ際の楓様の姿が浮かび上がり、無意識に頬が熱くなって口元が勝手に緩んでしまう。
桜井さんとお昼休憩が重なり、私達はホテルの近くのカフェでランチをしているところ、不意に持ち掛けられた瀬名さんとの食事会の話題に、私はサンドイッチを食べようと伸ばした手が止まる。
「……あ。それは……」
食事会のことを報告すると自分で言っときながら、すっかり忘れていた私。
「じ、実はですね……」
申し訳ないと心の中で謝罪しながら、私はあの時の出来事を桜井さんに包み隠さず全て打ち明けた。
「えええっ!?そんなあぁ!瀬名先輩結婚するんですかぁぁぁ!?」
すると、想像以上に大きなリアクションをとった桜井さんに度肝を抜かされた私は、驚きのあまり激しく脈打つ鼓動を抑えながら、首を縦に振る。
「この話ホテル内ではかなり衝撃的ですよっ!これで泣いちゃう子続出しますし!てか、私も泣きそうですっ!!」
確か、桜井さんはお付き合いをされている方がいらっしゃるのでは?
……と、内心疑問に思いながら、相変わらずの気迫に私はただ苦笑いしか出来なかった。
「それなのに、何で美守先輩は全然平気そうなんですか?寧ろ、最近更に輝いて見えますけど?瀬名先輩の事好きなんですよね?」
……なんて油断していると、険しい顔付きで急に桜井さんの尋問が始まってしまい、私はぎくりと肩が震え表情を強張らせてしまう。
「……あ、えっと……」
確かに、ここ最近ずっと楓様の事で頭がいっぱいだったから全く意識していなかったけど、気付けば失恋の痛みはもうすっかりと感じなくなっていた。
その上、楓様からはっきりと専属バトラーとして認めると仰られて以降、それからずっと幸せな気持ちに浸っていたので、今ではそんな話は遠い昔のように思え、私の心は完全に近い形で吹っ切れていた。
「もしかして美守先輩、マジで東郷様の事好きになったんですか?しかも、その様子を見る限りだと何か良い感じになってきてます?」
「…………桜井さんは超能力か何かをお持ちなんでしょうか?」
またフワフワと心が浮かび上がりそうになる手前、まさかの心境を全て言い当ててきた事に驚きを隠せない私は、何故にこうも分かってしまうのかが不思議で、思わず否定する事を忘れてあっさりと認めてしまう。
「ええっ!?本当にそうなんですか!?てか、瀬名先輩の結婚よりもそっちの方が驚きなんですけど!?」
それから再び火が付いてしまった桜井さんの勢いにまたもや押されてしまい、私はたじたじになりながら視線を泳がす。
「楓様とは何もないですから。ただ、最近専属バトラーとして認めて頂けたので、それが嬉しいんです。……あと、近々また来るかもって仰って下さったので……」
そう白状した途端、脳裏に別れ際の楓様の姿が浮かび上がり、無意識に頬が熱くなって口元が勝手に緩んでしまう。