3121号室の狼〜孤高な冷徹御曹司の愛に溺れるまで〜
「先輩のそんな慌てる姿って超新鮮ですね!なんか、めっちゃ可愛いです!」

そんな私を光り輝くような目で見てくる桜井さんの視線がこの上なく恥ずかしくて、つい顔を背けてしまう。

「せ、瀬名さんは私のことを只の同期生としか見ていないですから……」

けど、躊躇いながらも、自分を慕ってくれる可愛い後輩には話してもいい気がして、私は瀬名さんへの気持ちを包み隠さず桜井さんに伝えた。


「えー、それなら告っちゃえばいいじゃないですかあ?美守先輩クラスの人ならきっと瀬名先輩も喜んで付き合ってくれ……」

「絶対に無理ですっ!!」

すると、話を聞き終えた後暫く考え混んでから告げられた桜井さんのとんでもない提案に、私は思わず被せ気味に力一杯否定してしまう。

「そんな事ないですよっ!先輩って本当に欠点がないくらい完璧な方なんですからっ!まさに高嶺の花!もう高貴な存在過ぎてその辺の男達が下手に手を出せないくらい!だから、自信持って下さいっ!」

しかし、それに負けないくらい、もしくはそれ以上の勢いで私を褒めちぎってくる桜井さん。

何故彼女にこんなにもリスペクトされるのか分からないけど、最近益々自分の欠点が見え始めてきて、ここまで言われる事が大変恐縮過ぎて私は身を縮こまらせてしまう。
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