3121号室の狼〜孤高な冷徹御曹司の愛に溺れるまで〜
「ところで、白鳥様も誰かお慕いしている方はいらっしゃるのですか?」
それから暫く料理を堪能していると、ふとそんな疑問が湧いてきて、こんな事を果たして私が聞いていいものかと躊躇ったけど、楓さんの話が出た流れで私は思い切って彼女に尋ねてみる。
「そうですね。今はそれどころじゃありませんし、そもそも出会いがあまりないと言いましょうか……」
すると、渋い反応をされるかと思いきや、意外にもあっさりと答えてくれたことに私は嬉しくなって、更に踏み込んでみることにした。
「そうですか?白鳥様もお美しいですし、仕事も出来ますし、きっと憧れている男性は多いと思いますよ」
それに、強かな所と勇ましさもあり、女性の私でも惚れ惚れしてしまうくらいなのだから、そんな魅力溢れる彼女はきっとモテるのだろうと。
そう確信する私は自信を持って断言した。
「お言葉ですが、私は男性に興味は毛頭ありませんので」
それなのに、とても潔く言い切られてしまい、私はその勢いに少しだけ圧されてしまう。
「それは、恋愛に興味がないという事ですか?」
けど、つい先程は出会いがないと言っていたので、そういう風には感じ取れなかったけど……。
「いえ、言葉通り男性に興味がないんです。私は女性が好きなので」
…………え?
不思議に思っていた最中、まさかの予想だにしなかった唐突のカミングアウトに私は一瞬動きが固まってしまった。
「そ、そうだったんですか!?」
それから、思考回路が動き始めた頃、言葉の意味をようやく呑み込む事が出来、私は失礼ながらに思わず声を張り上げてしまう。
確かに、白鳥様はお美しい方だけど、女性というよりは男性的な……言うなれば宝塚の男役のような雰囲気を醸し出していて、それもまた魅力のうちの一つだと感じていたけど……。
「驚きましたか?」
暫く反応がない私に、白鳥様は少し不安気な面持ちで尋ねてきて、そこではたと我に帰る。
「は、はい。私の周りに居なかったものですから。でも、人を愛することに性も何も関係ないですし、白鳥様はきっと女性からも人気があると思いますよ」
そして、誤解のないよう正直に話した後、改めて私は彼女の恋愛話に花を咲かせる。
「やっぱり、天野様は素敵な方ですね。はっきり言ってタイプど真ん中です」
すると、今までに見たことのない程の満面の笑みを向けられた上、思いもよらない告白をされてしまい、恥ずかしさのあまり私は一気に顔が赤くなり始めて動揺を隠す事が出来なかった。
「そういう反応も純粋で凄く可愛いですよね。だから、楓様があなたに惹かれていく気持ちは良く分かります。……なので、正直あの冷徹腹黒男が憎いです」
それから、今度は何とも闇深い笑顔へと変わり、しかも殺気まで漂い始めた挙げ句、急に楓さんの扱いが酷くなった白鳥様の言動に、益々たじろいでしまう。
「楓さんはその事をご存知なのですか?」
白鳥様から好意を抱いて下さることは素直に嬉しいし、大変恐縮な思いだけど、彼がそれを知ったらどんな反応を示すのかが気になり、聞かずにはいられなかった。
「はい、勿論。なので、今日の事を知ったらきっと激怒するでしょうね。全く、愛に溺れた人間の心の狭さにはほとほと呆れますよ」
そんな私を愛おしそうな目で見た後、急に勝ち誇った笑みへと変わり、白鳥様は吐き捨てるようにそう仰った。
それから暫く料理を堪能していると、ふとそんな疑問が湧いてきて、こんな事を果たして私が聞いていいものかと躊躇ったけど、楓さんの話が出た流れで私は思い切って彼女に尋ねてみる。
「そうですね。今はそれどころじゃありませんし、そもそも出会いがあまりないと言いましょうか……」
すると、渋い反応をされるかと思いきや、意外にもあっさりと答えてくれたことに私は嬉しくなって、更に踏み込んでみることにした。
「そうですか?白鳥様もお美しいですし、仕事も出来ますし、きっと憧れている男性は多いと思いますよ」
それに、強かな所と勇ましさもあり、女性の私でも惚れ惚れしてしまうくらいなのだから、そんな魅力溢れる彼女はきっとモテるのだろうと。
そう確信する私は自信を持って断言した。
「お言葉ですが、私は男性に興味は毛頭ありませんので」
それなのに、とても潔く言い切られてしまい、私はその勢いに少しだけ圧されてしまう。
「それは、恋愛に興味がないという事ですか?」
けど、つい先程は出会いがないと言っていたので、そういう風には感じ取れなかったけど……。
「いえ、言葉通り男性に興味がないんです。私は女性が好きなので」
…………え?
不思議に思っていた最中、まさかの予想だにしなかった唐突のカミングアウトに私は一瞬動きが固まってしまった。
「そ、そうだったんですか!?」
それから、思考回路が動き始めた頃、言葉の意味をようやく呑み込む事が出来、私は失礼ながらに思わず声を張り上げてしまう。
確かに、白鳥様はお美しい方だけど、女性というよりは男性的な……言うなれば宝塚の男役のような雰囲気を醸し出していて、それもまた魅力のうちの一つだと感じていたけど……。
「驚きましたか?」
暫く反応がない私に、白鳥様は少し不安気な面持ちで尋ねてきて、そこではたと我に帰る。
「は、はい。私の周りに居なかったものですから。でも、人を愛することに性も何も関係ないですし、白鳥様はきっと女性からも人気があると思いますよ」
そして、誤解のないよう正直に話した後、改めて私は彼女の恋愛話に花を咲かせる。
「やっぱり、天野様は素敵な方ですね。はっきり言ってタイプど真ん中です」
すると、今までに見たことのない程の満面の笑みを向けられた上、思いもよらない告白をされてしまい、恥ずかしさのあまり私は一気に顔が赤くなり始めて動揺を隠す事が出来なかった。
「そういう反応も純粋で凄く可愛いですよね。だから、楓様があなたに惹かれていく気持ちは良く分かります。……なので、正直あの冷徹腹黒男が憎いです」
それから、今度は何とも闇深い笑顔へと変わり、しかも殺気まで漂い始めた挙げ句、急に楓さんの扱いが酷くなった白鳥様の言動に、益々たじろいでしまう。
「楓さんはその事をご存知なのですか?」
白鳥様から好意を抱いて下さることは素直に嬉しいし、大変恐縮な思いだけど、彼がそれを知ったらどんな反応を示すのかが気になり、聞かずにはいられなかった。
「はい、勿論。なので、今日の事を知ったらきっと激怒するでしょうね。全く、愛に溺れた人間の心の狭さにはほとほと呆れますよ」
そんな私を愛おしそうな目で見た後、急に勝ち誇った笑みへと変わり、白鳥様は吐き捨てるようにそう仰った。