3121号室の狼〜孤高な冷徹御曹司の愛に溺れるまで〜



「……はあー」 


あれから、私は桜井さんに何とか悟られないよう誤魔化してはみたものの、拭えない憂鬱感に溜息がつい何度も漏れ出てしまう。

最初に見た時よりかはある程度マシになったけど、連発する人生初めての男女の営みの光景が、未だに脳裏から離れない。

そんなこんなで、ついに迎えてしまった遅番の日。

しかも今日は瀬名さんが早番の為、彼不在の下、またあんな生々しい現場に居合わせてしまったら、それこそ耐える自信なんてない。


……ああ、神様!

最近は普段よりも日頃の行いには十分気を付けているつもりですっ!

ですので、お願いします!

今日もなんとか平穏な一日を私にお与え下さ……


「天野さん、3121号室の東郷様からオーダー入ったからお願いね」
 

……。


…………。


……………。


いやああああっ!!


神様、お慈悲をぉぉぉ!!!
< 29 / 327 >

この作品をシェア

pagetop