3121号室の狼〜孤高な冷徹御曹司の愛に溺れるまで〜
そのまま気付けば私達は深い眠りへと落ちていた。
おそらく、軽井沢の地へ来てからこんなに安らかな気持ちで眠れたのは、これが初めてかもしれない。
今まで彼を信じていれば大丈夫だと平気なフリをしていたけど、内心では思っていた以上に寂しさや、悲しさや不安で押しつぶされそうになっていたのだと。再び彼の腕に抱かれて、ようやく気付いた。
楓さんが孤独で苦しんでいたように、既に私も彼が居ないと生きていけない体になってきていることが、この一夜で思い知らされた気がする。
そんな彼の存在がいかに大きくて、守りたくて、縛られているか。
狂おしい程の愛情に溺れていることを改めて実感すると、私は彼の優しくて愛しい温もりに包まれながら、とても穏やかで幸せな夢の世界へと引き込まれていったのだった。