らんらんたるひとびと。~国内旅編~
昨晩、飲み物に睡眠薬を盛っておいた。
女性の寝室に忍び込むのはホムラとしては良心が痛むところであるが。
任務なのだから、仕方ない。
深い眠りに落ちる彼女を抱き上げて。
ケリー侯爵が指示した小屋へと運ぶ。
コレだけのために、わざわざ作ったという丸太小屋は、部屋の中心部に大きな柱があり。
そこに彼女を縄で括り付けた。
あとは、ドラモンド侯爵のGOサインが出れば、彼女を始末するだけだ。
朝になると。
ドラモンド侯爵がやって来て、彼女を始末するようにと言われたので「御意」と答える。
うろたえる鈴様を尻目に部屋を出て。
丸太小屋まで走っているうちに。
ホムラは、何故、こんな遠出までして始末しなきゃいけないんだろう…と冷静に考えた。
ドラモンド侯爵のことだから理由があるのはわかっている。
ただ、他人の領地で汚れ仕事をするのは少々、気が進まない。
丸太小屋の扉を開けると。
彼女は起きていた。
捕らえられている理由を理解したのか。
観念しているようにも見える。
銃を彼女に向けると。
彼女は真剣な顔でこっちを見ている。
吸い込まれるような青い目は慣れない。
「一つだけ、約束して」
「なんだ?」
「シナモンには手を出さないで」
意外な言葉に黙る。
「シナモンは、この国の人間じゃないから」
「…そうか」
「それに」
うつむいたかと思うと、彼女はじっとホムラを見る。
「シナモンは人間じゃないから。シナモンに手を出したら、絶対にスカジオン王国が黙ってない」
女性の寝室に忍び込むのはホムラとしては良心が痛むところであるが。
任務なのだから、仕方ない。
深い眠りに落ちる彼女を抱き上げて。
ケリー侯爵が指示した小屋へと運ぶ。
コレだけのために、わざわざ作ったという丸太小屋は、部屋の中心部に大きな柱があり。
そこに彼女を縄で括り付けた。
あとは、ドラモンド侯爵のGOサインが出れば、彼女を始末するだけだ。
朝になると。
ドラモンド侯爵がやって来て、彼女を始末するようにと言われたので「御意」と答える。
うろたえる鈴様を尻目に部屋を出て。
丸太小屋まで走っているうちに。
ホムラは、何故、こんな遠出までして始末しなきゃいけないんだろう…と冷静に考えた。
ドラモンド侯爵のことだから理由があるのはわかっている。
ただ、他人の領地で汚れ仕事をするのは少々、気が進まない。
丸太小屋の扉を開けると。
彼女は起きていた。
捕らえられている理由を理解したのか。
観念しているようにも見える。
銃を彼女に向けると。
彼女は真剣な顔でこっちを見ている。
吸い込まれるような青い目は慣れない。
「一つだけ、約束して」
「なんだ?」
「シナモンには手を出さないで」
意外な言葉に黙る。
「シナモンは、この国の人間じゃないから」
「…そうか」
「それに」
うつむいたかと思うと、彼女はじっとホムラを見る。
「シナモンは人間じゃないから。シナモンに手を出したら、絶対にスカジオン王国が黙ってない」