らんらんたるひとびと。~国内旅編~
明け方。
誰かの鼾で目を覚ました。
ぐおーぐおーという騒音に、思わず、ちっと舌打ちをすると。
ぼやーとした黒い影が部屋を出ていくのが見えた。
そっと、部屋を出ると。
廊下には、シナモンが立っている。
ちょうど良かったと私は手に持っていた鍵をシナモンに渡した。
「これ、女将から借りたんだ」
「え?」
起床していきなり鍵を渡されたシナモンは驚いている。
私は、知っているのだ。
シナモンがめっちゃ早起きだということを。
花嫁選抜大会でも、一番に起床して朝食の準備をしていたのを知っている。
「家族風呂っていうのがあるんだけれど。あ、家族風呂っていうのはこう、2~3人入ればいっぱいになっちゃうお風呂? そこね、鍵付きだから。もし良かったらシナモン入ってきなよ。一人でのんびり入れるよ」
ジェスチャーを交えながら言うと、シナモンが驚いた顔をして私を見ている。
「あ、もし。お風呂入るのが無理なら身体洗うだけでもいいかもしれないし」
シナモンは薄暗い中、手のひらにある鍵をじっと眺めている。
「わたくしごときが、こんな…よろしいのでしょうか」
「良いに決まってんじゃん。私も、これから風呂入って来るからさ」
髪の毛をおろしているシナモンはどこか見慣れないけど。
暗闇でも綺麗な髪の毛しているなあと思った。
誰かの鼾で目を覚ました。
ぐおーぐおーという騒音に、思わず、ちっと舌打ちをすると。
ぼやーとした黒い影が部屋を出ていくのが見えた。
そっと、部屋を出ると。
廊下には、シナモンが立っている。
ちょうど良かったと私は手に持っていた鍵をシナモンに渡した。
「これ、女将から借りたんだ」
「え?」
起床していきなり鍵を渡されたシナモンは驚いている。
私は、知っているのだ。
シナモンがめっちゃ早起きだということを。
花嫁選抜大会でも、一番に起床して朝食の準備をしていたのを知っている。
「家族風呂っていうのがあるんだけれど。あ、家族風呂っていうのはこう、2~3人入ればいっぱいになっちゃうお風呂? そこね、鍵付きだから。もし良かったらシナモン入ってきなよ。一人でのんびり入れるよ」
ジェスチャーを交えながら言うと、シナモンが驚いた顔をして私を見ている。
「あ、もし。お風呂入るのが無理なら身体洗うだけでもいいかもしれないし」
シナモンは薄暗い中、手のひらにある鍵をじっと眺めている。
「わたくしごときが、こんな…よろしいのでしょうか」
「良いに決まってんじゃん。私も、これから風呂入って来るからさ」
髪の毛をおろしているシナモンはどこか見慣れないけど。
暗闇でも綺麗な髪の毛しているなあと思った。