らんらんたるひとびと。~国内旅編~
がしっと、腕をつかまれた。
犯罪じゃないかいっ。
「やめてください。離して」
「その傷はどうしたと訊いている? ん? 背中にもあるのか」
物凄い力で腕を掴まれた。
鈴様は胸の谷間にある刺し傷を見ている。
背中の刺し傷も見られた。
「お願い離してください」
「おまえはどうして、そんな傷だらけなのだ」
「騎士だからに決まってるだろうが、馬鹿が!」
思わず、馬鹿呼ばわりすると、更に腕を強く掴まれる。
このままじゃ、駄目だ。
馬鹿をどうにかしなきゃ。
ふう…と深呼吸すると。
扉のほうを向いた。
「シナモン~、ホムラさん。もう誰でもいい。助けてー」
なんで、朝っぱらからこんな大声を出さなきゃいけないんだろう。
問題起こしたら、この旅館にはもう泊まれなくなるのだろうか。
いや、自分を大事にしなくては。
すぐに足音が聞こえ戸が開いたかと思えば、
えっ…と声を失ったホムラさんが立ってこっちに拳銃を向けているではないか。
目の前には、全裸で言い合う男女2名。
しかも男は嫌がる女の腕を掴んでいる。
ホムラさんは幽霊でも見たような驚いた表情で固まっていると。
そおっと、背後にシナモンがやって来て。
ホムラさんの両目を手で隠した。
「鈴様。ミュゼ様の手をはなしてください」
犯罪じゃないかいっ。
「やめてください。離して」
「その傷はどうしたと訊いている? ん? 背中にもあるのか」
物凄い力で腕を掴まれた。
鈴様は胸の谷間にある刺し傷を見ている。
背中の刺し傷も見られた。
「お願い離してください」
「おまえはどうして、そんな傷だらけなのだ」
「騎士だからに決まってるだろうが、馬鹿が!」
思わず、馬鹿呼ばわりすると、更に腕を強く掴まれる。
このままじゃ、駄目だ。
馬鹿をどうにかしなきゃ。
ふう…と深呼吸すると。
扉のほうを向いた。
「シナモン~、ホムラさん。もう誰でもいい。助けてー」
なんで、朝っぱらからこんな大声を出さなきゃいけないんだろう。
問題起こしたら、この旅館にはもう泊まれなくなるのだろうか。
いや、自分を大事にしなくては。
すぐに足音が聞こえ戸が開いたかと思えば、
えっ…と声を失ったホムラさんが立ってこっちに拳銃を向けているではないか。
目の前には、全裸で言い合う男女2名。
しかも男は嫌がる女の腕を掴んでいる。
ホムラさんは幽霊でも見たような驚いた表情で固まっていると。
そおっと、背後にシナモンがやって来て。
ホムラさんの両目を手で隠した。
「鈴様。ミュゼ様の手をはなしてください」