らんらんたるひとびと。~国内旅編~
テントを張って、シナモンが例のカッチカチのパンを皆に振るまって。
さっさと横になることにした。
時間を決めて、交代で見張りをすることにした。
頭をボーとさせながら、テントから出ると。
炎の前でぼーと座り込んでいるジェイが見える。
「ジェイ、交代だよ」
なるべく声をおさえて言うと「ミュゼか」と言ってジェイがこっちを見た。
私がジェイの隣に座ると。
ジェイは立ち上がらずに座ったままだ。
「なあ、ミュゼ」
2人きりになって、名前を呼ばれるとビクンと身体が跳ね上がる。
真面目なジェイのことだ。
なんか、おカタイ話なような気がした。
すぐに立ち上がらないということは、私に話があるのだろう。
「体の傷…大丈夫なのか?」
「え、今訊くんだ。旅の前じゃなくて?」
何を言われるのかと思ったら。
あまりにもマヌケな質問だったので、笑ってしまった。
同い年だというのに、心配性と言うか…。
リーダー的存在のジェイはいつだって私や白雪姫を心配してくれる。
ぱちぱちとはぜる炎をぼーと眺めて。
「あのね、身体が辛かったら、旅なんてしてませ~ん」
とおどけて言ってみせる。
「そうか…」
と頷くジェイだけれど。
多分、他にも訊きたいことがあるんだと思う。
黙り込んだジェイを見ていたら、イライラしてくる。
「ごめん、ジェイ。今はまだちゃんと話せる状況じゃない。ほんと、悪いけど。落ち着いたら、ちゃんと話す」
「…謝るな、ミュゼ」
「結局、2年経っても。私はまだジェイにも、白雪姫にもちゃんと話せていない。だけど、ちゃんと話すから。それは約束する」
ジェイをじっと見ると、ジェイもこっちを見てきた。
見ないうちに大人ぽくなっているジェイ。
背が伸びた。身体もマッチョになってバッキバキになった。
昔は他人を疑うことなんてしなかったのにね。
真っ直ぐに人を信じる良い奴だった。
おやすみ…と言って私はジェイから目をそらした。
さっさと横になることにした。
時間を決めて、交代で見張りをすることにした。
頭をボーとさせながら、テントから出ると。
炎の前でぼーと座り込んでいるジェイが見える。
「ジェイ、交代だよ」
なるべく声をおさえて言うと「ミュゼか」と言ってジェイがこっちを見た。
私がジェイの隣に座ると。
ジェイは立ち上がらずに座ったままだ。
「なあ、ミュゼ」
2人きりになって、名前を呼ばれるとビクンと身体が跳ね上がる。
真面目なジェイのことだ。
なんか、おカタイ話なような気がした。
すぐに立ち上がらないということは、私に話があるのだろう。
「体の傷…大丈夫なのか?」
「え、今訊くんだ。旅の前じゃなくて?」
何を言われるのかと思ったら。
あまりにもマヌケな質問だったので、笑ってしまった。
同い年だというのに、心配性と言うか…。
リーダー的存在のジェイはいつだって私や白雪姫を心配してくれる。
ぱちぱちとはぜる炎をぼーと眺めて。
「あのね、身体が辛かったら、旅なんてしてませ~ん」
とおどけて言ってみせる。
「そうか…」
と頷くジェイだけれど。
多分、他にも訊きたいことがあるんだと思う。
黙り込んだジェイを見ていたら、イライラしてくる。
「ごめん、ジェイ。今はまだちゃんと話せる状況じゃない。ほんと、悪いけど。落ち着いたら、ちゃんと話す」
「…謝るな、ミュゼ」
「結局、2年経っても。私はまだジェイにも、白雪姫にもちゃんと話せていない。だけど、ちゃんと話すから。それは約束する」
ジェイをじっと見ると、ジェイもこっちを見てきた。
見ないうちに大人ぽくなっているジェイ。
背が伸びた。身体もマッチョになってバッキバキになった。
昔は他人を疑うことなんてしなかったのにね。
真っ直ぐに人を信じる良い奴だった。
おやすみ…と言って私はジェイから目をそらした。