らんらんたるひとびと。~国内旅編~
病気
6人で旅をしているのに。
多少のアクシデントはあるものの、順調に目的地へと向かって行く。
ひたすら歩いて、休んで。
途中、お昼休憩を取って。
夕方、ホテルがあればホテルに泊まるし、町がなければ野宿する。
ただ、それだけ。
町から町へと移って。
食事だけは全員一緒に食べるというルールだけれど。
それ以外はそれぞれ自由行動。
こんな旅で鈴様は変わるのだろうかと思ったけど。
知ったこっちゃない。
この旅を冒険ものとして扱うならば、たいして変化のない平々凡々とした面白みのない小説だと言える。
「皆様、申し訳ありません」
その日は、一本道を歩いていた。
周りには畑があって、人の気配はなくて。
砂利道をただひたすら、歩いているだけだった。
シナモンの声に全員が立ち止まった。
「わたくし、体調があんまり・・・」
と言い出したので私は「うえっ」と言ってシナモンの肩をガッチリと掴んでしまった。
シナモン以外は幼い頃から過酷な訓練を受けているから体力お化けって言われるけど。
そう、シナモンはホムラさんの言葉を借りるならば、「民間人」なのだ。
「大丈夫、シナモン。歩ける? おんぶする? 吐き気は? 熱ある?」
慌てふためく私に、シナモンはおぼろげな目で。
「大丈夫ですが…少し休みたいです」
小さな声で言うので、何で気づかなかったんだろう…と悔やまれる。
「シナモンさん。荷物は俺が持つから。おんぶするからさ」
「いえ、次の町までは歩けるのですが。少し休みたいのです」
ジェイがさりげなくシナモンのリュックを手に取った。
気が利く男だ。
「鈴様とホムラさんは先に行ってていいぞ」
ジェイがシナモンのリュックと自分のリュックを両肩に乗せて。
後ろにいた鈴様とホムラさんに言った。
シナモンはジェイがおんぶすると言ってもかたくなに拒んだ。
鈴様は、ホムラさんを見て、
「行くぞ」と歩き出すが、ホムラさんは黙ってシナモンを見た。
物凄く怖い顔で見てくるので、近くにいる白雪姫が「こわっ」と声を漏らす。
「本当に先に行って大丈夫なのか?」
「次の町で合流すりゃ、大丈夫だろ。ホムラさん、あんたならこういう時どうすればいいかわかってるだろ」
ジェイとホムラさんの会話は、任務でアクシデントを経験した者同士にしかわからない会話だった。
「おいらが登山で遅れた時、だーれも心配してくれなかったのに、シナモンちゃんのときはどうして皆、そんなに心配してくれっかなあ」
と口を尖らせる白雪姫に、全員が無視を決め込んだのだった。
多少のアクシデントはあるものの、順調に目的地へと向かって行く。
ひたすら歩いて、休んで。
途中、お昼休憩を取って。
夕方、ホテルがあればホテルに泊まるし、町がなければ野宿する。
ただ、それだけ。
町から町へと移って。
食事だけは全員一緒に食べるというルールだけれど。
それ以外はそれぞれ自由行動。
こんな旅で鈴様は変わるのだろうかと思ったけど。
知ったこっちゃない。
この旅を冒険ものとして扱うならば、たいして変化のない平々凡々とした面白みのない小説だと言える。
「皆様、申し訳ありません」
その日は、一本道を歩いていた。
周りには畑があって、人の気配はなくて。
砂利道をただひたすら、歩いているだけだった。
シナモンの声に全員が立ち止まった。
「わたくし、体調があんまり・・・」
と言い出したので私は「うえっ」と言ってシナモンの肩をガッチリと掴んでしまった。
シナモン以外は幼い頃から過酷な訓練を受けているから体力お化けって言われるけど。
そう、シナモンはホムラさんの言葉を借りるならば、「民間人」なのだ。
「大丈夫、シナモン。歩ける? おんぶする? 吐き気は? 熱ある?」
慌てふためく私に、シナモンはおぼろげな目で。
「大丈夫ですが…少し休みたいです」
小さな声で言うので、何で気づかなかったんだろう…と悔やまれる。
「シナモンさん。荷物は俺が持つから。おんぶするからさ」
「いえ、次の町までは歩けるのですが。少し休みたいのです」
ジェイがさりげなくシナモンのリュックを手に取った。
気が利く男だ。
「鈴様とホムラさんは先に行ってていいぞ」
ジェイがシナモンのリュックと自分のリュックを両肩に乗せて。
後ろにいた鈴様とホムラさんに言った。
シナモンはジェイがおんぶすると言ってもかたくなに拒んだ。
鈴様は、ホムラさんを見て、
「行くぞ」と歩き出すが、ホムラさんは黙ってシナモンを見た。
物凄く怖い顔で見てくるので、近くにいる白雪姫が「こわっ」と声を漏らす。
「本当に先に行って大丈夫なのか?」
「次の町で合流すりゃ、大丈夫だろ。ホムラさん、あんたならこういう時どうすればいいかわかってるだろ」
ジェイとホムラさんの会話は、任務でアクシデントを経験した者同士にしかわからない会話だった。
「おいらが登山で遅れた時、だーれも心配してくれなかったのに、シナモンちゃんのときはどうして皆、そんなに心配してくれっかなあ」
と口を尖らせる白雪姫に、全員が無視を決め込んだのだった。