らんらんたるひとびと。~国内旅編~
病室に、白雪姫は眠っていた。
小さな病院なので、ベッドは4つのみ。
白雪姫以外の患者さんは誰もいない。
両膝に包帯が巻かれ、苦痛の表情を浮かべるように眠っている白雪姫を見て。
ドッキリってやつなのかと思い、辺りを見回した。
70代くらいの顎髭を生やした先生がやって来ると。
「3日は安静にしたほうがいいね。腰痛持ちだって言うし。歩きすぎて膝に負担がかかってる。右足は捻挫しているようだね」
「は?」
医者の言うことが信じられず、私はジェイを見た。
ジェイはシナモンを見る。
「シナモンさん…白雪が体調悪いってこと気づいてたの?」
シナモンは静かに頷いた。
「ツバキ団長に、白雪様は持病があると伺っておりましたので…ここ数日。様子がおかしいなと」
「よく、気づいたね」
白雪姫はここのところ、ずーとおちゃらけていたけど。
まさか痛みを我慢していたとは、全く気づかなかった。
「シナモンさんは、白雪に気を遣って、わざと自分が具合悪いって言ってくれたんだね」
ぼそっと言ったジェイの言葉に私は、胸を針で刺されたような痛みに襲われた。
「まさか! わたくし。他人を思いやるほど優しくありません!」
ん?
いつものシナモンだったら、謙遜するくせに。
にっこりと笑って思いっきり否定した。
「わたくし自身、正直。疲れていたのは事実なのです。白雪様を口実に休みたかっただけなのです。ごめんなさい」
深々と頭を下げるシナモンに私とジェイは言葉を失った。
本当にこの子、十代なの?
小さな病院なので、ベッドは4つのみ。
白雪姫以外の患者さんは誰もいない。
両膝に包帯が巻かれ、苦痛の表情を浮かべるように眠っている白雪姫を見て。
ドッキリってやつなのかと思い、辺りを見回した。
70代くらいの顎髭を生やした先生がやって来ると。
「3日は安静にしたほうがいいね。腰痛持ちだって言うし。歩きすぎて膝に負担がかかってる。右足は捻挫しているようだね」
「は?」
医者の言うことが信じられず、私はジェイを見た。
ジェイはシナモンを見る。
「シナモンさん…白雪が体調悪いってこと気づいてたの?」
シナモンは静かに頷いた。
「ツバキ団長に、白雪様は持病があると伺っておりましたので…ここ数日。様子がおかしいなと」
「よく、気づいたね」
白雪姫はここのところ、ずーとおちゃらけていたけど。
まさか痛みを我慢していたとは、全く気づかなかった。
「シナモンさんは、白雪に気を遣って、わざと自分が具合悪いって言ってくれたんだね」
ぼそっと言ったジェイの言葉に私は、胸を針で刺されたような痛みに襲われた。
「まさか! わたくし。他人を思いやるほど優しくありません!」
ん?
いつものシナモンだったら、謙遜するくせに。
にっこりと笑って思いっきり否定した。
「わたくし自身、正直。疲れていたのは事実なのです。白雪様を口実に休みたかっただけなのです。ごめんなさい」
深々と頭を下げるシナモンに私とジェイは言葉を失った。
本当にこの子、十代なの?