らんらんたるひとびと。~国内旅編~
いきなりホムラさんが変なことを言うから「はあ?」と素っ頓狂な声が出てしまう。
ホムラさんは、いつ見ても無表情で。
時折、すっごいことを言い出すから驚くしかない。
「鈴様はあの容姿で、あのご身分だ。多くの女性が近寄って来ては結婚しようとアレコレ小賢しいことをやってのけた」
一体、何がいいたいのだろう。
シナモンを見ると、シナモンもきょとんとした顔でホムラさんを見ていた。
「ホムラさん。私たち、ツバキ団長側からの人間からしてみれば…わかるでしょう? ドラモンド侯爵の先見の明について」
上手くは言えないけど。
ホムラさんはドラモンド侯爵側の人間だからわからないのかもしれない。
「ドラモンド侯爵の筋書を邪魔するものは、誰構わず排除するって…騎士団の人間だったら知ってますよ」
「わたくしも・・・ツバキ団長からドラモンド侯爵様についてはきちんと聴いております。鈴様は絶対にゴディファー家のヒナタ様と結婚することは決まっています。それを妨害したらどうなるかなんて…」
ホムラさんは「ふうむ」と考えるしぐさをする。
「恋愛というのは、時に冷静さを失うものではないのか?」
「は?」
さっきから、ホムラさんは何を言いたいのだろう。
確かに鈴様がカッコイイのは認める。
だけど、それだけじゃない?
このまま、ホムラさんとの会話を進めるのもかったりいなあ…。
目の前を通り過ぎる人達に視線を移すと。
遠くから「きゃー」だの「まってえ」という複数の女性の声がした。
「なんでしょう? ひったくりですかね?」
のほほんとした口調で、シナモンが言うけど。
ひったくり!? というワードにすぐ、私とホムラさんは戦闘態勢に入る。
どどどど…という大勢の足音にドキドキしていると。
先頭に現れたのは、鈴様だった。
「素敵なお方、お待ちになってえ」
と、20~30代の女性が集団になって、鈴様を追っかけまわしている。
両脇の短剣から手を放す。
ホムラさんは黙って頭を抱えた。
「あれは、一体。どういうことですかね?」
唯一、冷静なのはシナモンだ。
さっきから、鈴様を数十人の女性が追っかけまわしている。
「食い逃げではないですよね?」
「…シナモン、わかってて言ってるでしょ」
思わず低い声が出た。
ホムラさんは「あー」と面倒臭そうな声を出す。
「あの方は、歩くだけであのように女性に追いかけ回される。あの方の雰囲気が相手を狂わせる」
「なるほど。だから、常にホムラ様が側で見張っておられるのですね」
と納得したようにシナモンが言った。
「しかし、どうすればいいのでしょう? 鈴様は俊足ですが女性方も負けてはおられませんわね」
座ってお茶を飲みながらシナモンが言った。
ホムラさんは、いつ見ても無表情で。
時折、すっごいことを言い出すから驚くしかない。
「鈴様はあの容姿で、あのご身分だ。多くの女性が近寄って来ては結婚しようとアレコレ小賢しいことをやってのけた」
一体、何がいいたいのだろう。
シナモンを見ると、シナモンもきょとんとした顔でホムラさんを見ていた。
「ホムラさん。私たち、ツバキ団長側からの人間からしてみれば…わかるでしょう? ドラモンド侯爵の先見の明について」
上手くは言えないけど。
ホムラさんはドラモンド侯爵側の人間だからわからないのかもしれない。
「ドラモンド侯爵の筋書を邪魔するものは、誰構わず排除するって…騎士団の人間だったら知ってますよ」
「わたくしも・・・ツバキ団長からドラモンド侯爵様についてはきちんと聴いております。鈴様は絶対にゴディファー家のヒナタ様と結婚することは決まっています。それを妨害したらどうなるかなんて…」
ホムラさんは「ふうむ」と考えるしぐさをする。
「恋愛というのは、時に冷静さを失うものではないのか?」
「は?」
さっきから、ホムラさんは何を言いたいのだろう。
確かに鈴様がカッコイイのは認める。
だけど、それだけじゃない?
このまま、ホムラさんとの会話を進めるのもかったりいなあ…。
目の前を通り過ぎる人達に視線を移すと。
遠くから「きゃー」だの「まってえ」という複数の女性の声がした。
「なんでしょう? ひったくりですかね?」
のほほんとした口調で、シナモンが言うけど。
ひったくり!? というワードにすぐ、私とホムラさんは戦闘態勢に入る。
どどどど…という大勢の足音にドキドキしていると。
先頭に現れたのは、鈴様だった。
「素敵なお方、お待ちになってえ」
と、20~30代の女性が集団になって、鈴様を追っかけまわしている。
両脇の短剣から手を放す。
ホムラさんは黙って頭を抱えた。
「あれは、一体。どういうことですかね?」
唯一、冷静なのはシナモンだ。
さっきから、鈴様を数十人の女性が追っかけまわしている。
「食い逃げではないですよね?」
「…シナモン、わかってて言ってるでしょ」
思わず低い声が出た。
ホムラさんは「あー」と面倒臭そうな声を出す。
「あの方は、歩くだけであのように女性に追いかけ回される。あの方の雰囲気が相手を狂わせる」
「なるほど。だから、常にホムラ様が側で見張っておられるのですね」
と納得したようにシナモンが言った。
「しかし、どうすればいいのでしょう? 鈴様は俊足ですが女性方も負けてはおられませんわね」
座ってお茶を飲みながらシナモンが言った。