らんらんたるひとびと。~国内旅編~
 シナモンの言った小屋は確かに存在した。
 あの状況でよく見えたなあと感心しながら、息を整える。
「ごめんくださーい、誰かいますか?」
 どう見ても、人の気配はしなかったが。
 念のため、白雪姫は大声を出して、扉を開けた。

 中に入ると、目に入ったのは鹿の剥製だ。
「狩猟小屋なのか…?」
 きょろきょろしながら、ジェイが言った。
「あ、暖炉がありますわ。すぐに、火をおこします」
 とすぐに、シナモンが暖炉に近寄る。

 普段、誰かが使用しているのか。
 割と綺麗なほうではあったけど。
 ここは、小屋であることに変わりない。
 引きつった顔で私は鈴様を見る。
 6人が過ごすには狭いといえば、狭い…

「犬小屋よりも狭いな」

 悪気のない一言が、癪に障る。
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