らんらんたるひとびと。~国内旅編~
 生まれた頃から、甘やかされて育ち。
 大人に怒られたことがないのだろう。
 噴火したかのように、カハナが泣き叫ぶ。
 まるで、赤子のような鳴き声に耳を塞いでしまう。

「ジェイ様、どうか、カハナ様を外に・・・」
「え、何!?」
 シナモンが大声でジェイに言うが、
 その声を覆いかぶさるように、カハナが泣き叫ぶ。
 シナモンはジェイに近寄って、
「カハナ様を連れて、2人で外へ! デートをお願いします」
 シナモンは外を指さした。
「わかった。カハナ、一回、外に出よう」
 カハナはジェイの手を払いのけて「いやだいやだ」と言ったが。
 ジェイはカハナを抱きかかえると。
 素早く外へ出て行った。
 次第に遠くなるカハナの鳴き声を聞きながら、ほっっと胸をなでおろす。

「とりあえず…お茶がほしいな」
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